MounTown Coffee Roasters

広島の片田舎にある美大に通う貧乏学生の頃。
狭いアパートでコーヒー豆をゴリゴリと挽き、自分なりに丁寧に淹れた一杯を味わいながら、マルボロを吸うことに最高の喜びを感じていました。コーヒーを飲み始めたのはその20代前半だったと思います。
「Coffee and Cigarettes」は最高な映画だと今でも思う。それを好きな自分に酔っていたんだと。

その嗜好性は20年近く経っても変わることなく、むしろさらに増殖しているように感じます。
気づいたらお店へのこだわりから、産地へのこだわりへと意識が変わり、道具を揃えて抽出方法を試行錯誤するようになりました。さらにハンディ焙煎鍋を手に入れ、遂には自宅で生豆から焙煎をするところまで到達。
思った焙煎には到底いかず、焦げたコーヒーを「これはこれでアリ」と無理やり言いきかせながら飲んだこともしばしば。早めに切り上げて浅煎りと意気込むも、強すぎる酸味に身震いすることもありました。
今ではなんとか好みの味わいへ安定させることに成功し、ある程度の量も焙煎できる焙煎機も手に入れ、好きな産地や農園の生豆のスペシャルティコーヒーとしてランク付されたものを選び、フレーバーが…!マウスフィールが…!このクリーミーさが…!と1人鼻息を荒くしています。

そんなコーヒー焙煎士(デザイナーと一緒で名乗ればなれるらしい)初級者が、なんと自分のロースターを立ち上げ販売店をオープンさせました。

名前を「MounTown Coffee Roasters」といいます。StoresでECサイトも作りました。
折角なので、このお店を用意するまでに準備したことやプロセスなどまとめてみようと思います。


名前の由来、ロゴづくりの工程

Mountain + Town = MounTown

この結構どストレートな意味です。
風の音と山の唸りしか聞こえない2000m以上の尾根で、温かいコーヒーを飲んだことはありますか?
バーナーに火をつけ、背中にずしりと重く背負った水をコッヘルに入れて湯を沸かす。
持参したハンドミルでごりごりと豆を粉に挽く。
それをSnowpeakのコーヒードリッパーに入れて、沸いたお湯をなれない器具でこぼしながら淹れる。
家で飲むより濃かったり香りがとんでたりするけど、寒く人気のない、けれど怖いくらい静かで鳥の声が遠くで聞こえる場所で飲むコーヒーは、何者にも変えがたい至福の時間を与えてくれます。
そんな時はあまり繊細な香りや味わいよりも、輪郭がわかりやすいコクや体を温めてくれる甘いフレーバーがマッチすると思っています。

また、ざわざわと賑やかな都会の喧騒の中、歩道に面したカフェのテラスで飲むコーヒーは、ちょっとオシャレで自分がかっこよく見えたりもする時間。なんとなく文庫本の一冊でも読み耽ってみたくなる瞬間です。
できればコーヒーに集中してテイストを敏感に感じるよりは、その世界観や雰囲気を演出してくれ、より自分自身を彩ってくれるさりげなさが欲しい。この空間でコーヒー飲んでる自分にうっとり酔いたい。
コーヒー飲んで、さぁ次はどこ行こう?と元気にしてくれる一杯が嬉しいと思っています。

そんなとりとめもない体験を通じてこのネーミングを考えました。
まぁようは山も街も好きということで。どこでも嬉しく気楽に楽しめる一杯でありますように。
そんな想いを込めたブランドです。

ロゴは紆余曲折ありましたが、円形にレトロなフォントと雰囲気で、イラストとロゴタイプが同居したシンボルになりました。
最初はTakami CoffeeとかVeranda Coffeeだったんですw

少しずつ作り込みと世界観の演出を加えて今の形になりました。
山は富士山ではないけど、象徴的な山とその麓に繁栄する街を作画しました。できるだけひっそりと。

シンボルとロゴタイプが同居したこのタイプをメインとして、もう少しバリエーションが欲しいなと。
まずはロゴタイプだけで成立するように整えていきたい。
それとイラストも山と家が数軒ありますが、このテイストで他のいくつかのイラストも作って街からさらに空間を広げて情景にしていきたい。
手はかかりますが、まぁじっくりちくちくと作っていければいいかなと。
このシンボルロゴを使ってマグカップとかエプロンなどのグッズ作れたら楽しいですね。

魅惑のパッケージとシールづくりはとにかく印刷会社さん頼り

今回、豆を封入する袋は清和印刷さんにお願いしました。
色々とネットで調べて、お茶の名産地静岡でパッケージ専門に行っている老舗の印刷会社さん。
オンラインで相談MTGも無料で実施してくださり、久しぶりにグラフィック印刷のアレコレを考えて楽しかったなぁ。
とにかく全てのパッケージサンプルを無料で送ってくれるので最終成果物の印象がわかるのはかなりありがたい。
データ入稿も比較的簡単だったし、仕上がりイメージを専用のサイトで確認させてもらえるのも助かる。

今回、チャック付蒸着スタンド袋 茶120×200というタイプに後印刷加工を施しました。
定型袋に後から版を作って樹脂凸版印刷を行いました。
簡易的にできるので量産や他サイズのパッケージにも転用しやすそう。
今回作ってみてもっとこうしたい!という想いがあったので、次はまた別の袋形態で行ってみたいともいます。

次にシール。
これはいろんなシーンで簡単に早くしかも丁寧にやってくれる王道のグラフィックさんにお願いしました。
以前もシングルシールをお願いしたことがありましたが、まぁ色々あった会社ですがそれを乗り越えとにかく誠意ある対応が超嬉しい。
フォーマットがいつでも利用できてそれに合わせてバージョンとデータを用意。データ名称やアップロードの形態もシステムに合わせるだけで全てチェックしてくれます。
今回AIで用意したデータに色の不整合があって、印刷ギリギリで指摘してもらい、修正することができました。
担当者はそのフェーズによって変わるようですが、丁寧にデータを見てくれ、指定のデータではこのようなデメリットが発生するが本当にこのままでいいか?と確認してくれます。
このプロフェッショナルな対応がマジで神。これからも贔屓にさせてもらいます。ありがとうグラフィック!

販売するのは資格がいる?衛生管理責任者の称号ゲット

パッケージやロゴデザインをする前にやっていたことがありました。
それは飲食商品を販売するために必要な保健所への届出。
実は最近コーヒー豆の販売にも許可が必要になりました。まとめるとこちら。

  • 一般的に令和3年6月1日以降は、コーヒー豆販売でも保健所の営業許可が必要になる
  • コーヒー豆を販売して得た所得によっては、確定申告も必要になってくる
  • コーヒー豆の販売のみを行う場合、販売する商品には「食品衛生法」に基づいた表示義務がある

令和3年になってからの開業ですので、保健所の営業許可が必要であり、その許可を得るために食品衛生管理者の講習を受講する必要がありました。
こちらに関しては「食品衛生責任者の資格を無事取得」に詳しく経緯を記録しております。

また個人販売するために非常に参考になったのが、すでに副業的に焙煎業を行われていたnaoさんのブログ。

コーヒー豆の販売にまつわる情報はもちろん、ロースターの種類や使い勝手、ECサイトの比較考察などめちゃめちゃ参考になります。
Twitterでも直接やりとりさせていただき、マジで参考にさせてもらい感謝感謝です。
販売されているお豆も好みど真ん中ジャイロストレートで完璧ラブです。

食品衛生管理者になれたら(講習の最後にテストがあるのでちゃんと起きて聞いていないといけない)、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」に届出を申請します。

少し手間ですが、講習である程度の説明はありますし、自分が住んでいる地域の管理局に連絡すれば詳しく手続き方法を教えてくれます。コーヒー豆販売用の書類もあるので比較的スムーズでした。

あとは衛生管理を証明する実施記録をHACCP(ハサップ)という衛生管理制度に則って行っていきます。
私は厚生労働省が紹介している記録書類を参考Excelファイルを作りました。

これを利用して焙煎を行なった時の管理記録を保存しています。パッチ数や種類も一緒に記録しているので思ったより重宝しています。

思ったより悩み試行錯誤した配送方法

パッケージもできて焙煎に集中できるようになったところで、思ったより穴だったのが配送放送。
とにかくその厚みに苦労しました。
作ったパッケージはいわゆるスタンド型と呼ばれる底面があり、逆に上部は萎まれている構造。
重力に抗うことなく豆を下部に貯めるとかなりの厚みが発生します。

送料をとにかく抑えてくて、ポストに直接届けるメール便を利用しようとすると厚み3cmという制限があります。
これは郵便局とかにもっていくと3cmのスケールに差し込まれて厳密に測られます。
何度か郵便局に行ってやりとりしたり、何か解決策がないか考えた末、底に溜めないように全体にならすという方法に至りました。
ギリギリアウト?な厚みな感じですが、そのままポストに投函し、今のところ全て無事にお客様へ届いています。
できるだけ平たく、全体的に袋へまんべんなく広げる戦法でクリアできている現状です。

今はこちらのダンボールワンさんのクッション封筒を使っています。

厚みも含め容量を考えるとこのメール便で遅れるのは300gが限界だと思います。
それ以上のセットもラインナップするつもりだったので、それは別の配送方法を選びました。
ヤマトの宅急便コンパクトは箱に入れば重さや厚みの制限はありません。
これなら400g以上でもうまく箱に詰め込めればOK。配送料は(配送料660円+専用ボックス70円)となります。
これと併用しながら現在は配送手続きを行っています。

ここまで届出から始まり、ロゴ、パッケージ、配送と行ってきたことをとりまとめました。
次回はオープンリリースしたECサイトで実施したことをまとめたいと思います。

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