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[2日目朝]鳥の大合唱で目が覚める

上がる狼煙。カレーヌードルとTKG

まだ少し薄暗かったけど鳥の泣き声が激し過ぎて目が覚めた。5時前。
息子を寝かしつけに一緒にテントへ入ったつもりだったのに、完全に寝落ちしてしかももう朝。
夜のためにウイスキーを持参して、ゆるキャンでは鉄板のカレーヌードルを買い込んでいたのに。
まぁよくあることだけどね。。。
友人は1人用テントに綺麗にハマっていびきをかいていた。昨晩そのままにしていた炭や食材等も片付けてある。友人に手間かけてしまった。。すまん。
せっかく早起きできたので一眼レフをと歯ブラシを持って海岸まで散歩してみた。
もうそれなりに明るくなっていて、海岸をバックにゆるキャンフィギュアを一生懸命に撮っている亡者もいた。
歯磨きしながら肌寒い空気に触れつつ静かな波音を聞く。夕方と打って変わって朝の黄金崎は静かで穏やかな波音だった。

テン場に戻ると息子も起きてきた。洗顔と歯磨きついてにまた一緒に海岸まで散歩。しっかり寝れたみたいでいつもぐずるところ軽快に岩場を飛び回る。夜もあまり食べてないのでお腹が空いたらしい。
朝食の支度をしたいが昨晩いろいろと片付けた友人を起こすのも忍びなく、お湯を沸かしてとっておきのカレーヌードルを息子と一緒に食べた。普段ジャンクフードは与えていないからこの中毒性のある味が気に入ったらしい。1人でほとんど食べてしまった。
周りのキャンパーも起きてきて、あちこちから狼煙が上がっている。キャンプの朝の風景。
友人が起きてきて大量の米と味噌汁を作ってくれた。スーパーで買った卵と共にTKGとソーセージがメイン。
メスティンで炊いた米はベチャついてなかなかハードルの高いテイストでしかも2合。。さすがに食い切れず。
ぼちぼちご飯も食べたので2日目の計画思案。
今日は要望がでていた堂ヶ島と、しまりんが早朝に訪れていた温泉へ。そこから大室山の予定。
干潮時間を調べると10時前。朝食を食べ終えたのが8時くらいだったので撤収しないといけない時間。名残惜しいがテントを畳み黄金崎を後にした。

堂ヶ島トンボロと開放過ぎる沢田公園露天風呂

黄金崎を出て西伊豆の海岸を南下する。ホテルや集落も多く風光明美で美しいオーシャンラインだった。
しばらく走ると複雑な海岸線と岩肌が頻繁に見え隠れする。気づいたら堂ヶ島に到着していた。
そこはすでに大勢の人が海岸までそぞろ歩き、道路脇に作られた駐車場にずらり車が並んでいた。少し通り過ぎたホテルの第二駐車場に停めて堂ヶ島へ降りる細道を歩く。
バイカーや家族連れ、ビーチコーミングのツアーなど様々な人が海岸に集まっていた。
すでに潮が引き始めており、堂ヶ島に向けての道ができつつある。
海が左右から波打つ景色はなんとも不思議で心が穏やかになるような気持ちにさせられた。
またゴツゴツとした巨石がそこら中に鎮座していて、しかも細かい年輪のようなシワが幾重にも入っている。思わず見入ってしまうほど表情豊かな岩が海岸に立ち並ぶ。

そんな中、3mくらいの自撮り棒?に360°カメラをつけて歩き回っている友人がなんとも異様だったことは忘れられない。

堂ヶ島のトンボロを横目にさらに海岸線を南下。ゆるキャンで朝食をとっていた堂ヶ島食堂を通り過ぎ、沢田公園露天風呂を目指す。
そこは突き出た入江の先にあり、地図をみながらでも入り口を見落としてしまった。途中の道では本当にこのルートで合っているのか心配になるくらい静かで観光客などきそうにない漁港を通る。
そこからさらに狭い道を通ると開けた駐車場にでた。入り組んだ海岸の岩場の上にそれはどーん!と建っていた。

この小屋の下に受付所があり、大人600円、子供200円。安い。
けれど安いだけあって脱衣所は最低限の広さと設備。3人大人が着替えるのが精一杯。さすがに中の写真は撮れなかったけど、ガラガラとガラス戸を開けるとそこは完璧に開放された海岸線が一望!
露天すぎる露天。もちろん石鹸もシャワーもない。日に焼けそうな眩しい日差しの下で裸一貫全てを曝け出す。
気持ちいい。。この開放は癖になる。常連らしいおじさんが気軽に声をかけてくれ、周辺のことを教えてくれた。
数人入るともう定員になるような場所で、小屋の外では数人のバイカーが我々を待っていた。
長居する風呂ではないため、存分に開放感を味わって着替えて退出した。

西伊豆から一気に東伊豆へ。大室山はすごかった

沢田公園露天風呂を後にし、そろそろお腹も減ってきた。けれど目的の大室山には西伊豆から東伊豆へ抜ける山越が必要。あまりのんびりもできないのでとりあえず河津町を目指して車を走らす。
松崎町から河津町までの峠道はなかなかハードだった。
長閑な田舎道もすぐに終わり険しく狭いまさに峠。途中トレイルランナーが2人死にそうな顔で走っていた。
運転疲れもあってか眠気が襲ってきたので、友人とドライバー交代。助手席で眠るつもりが流石の鋭角な峠道で酔ってしまう。早く超えて欲しいと願いながらようやく河津町にたどり着いた。

峠を越えるとそこはデッカイ太平洋!胸がすくような気持ちで一気にテンションも上がる。
写真を撮っていなかったのは残念だが、島ひとつない完全な水平線は久しぶりに見た。また波の激しさも凄まじい。この日は風も強くうねりにうねっていた。それもまた自然の力強さをダイナミックに感じる。
途中休憩がてらよった伊豆オレンヂセンター。どこか見覚えあるな?と思ったらゆるキャンでもここに立ち寄ってソフトクリーム食べてた!
店内もキャラクターのパネルやパンフレットがたくさん並ぶ。ソフトクリームは食べなかったけど、ここで自家製イカ塩辛をおみやげに買った。
チェックインもできたし改めて出発。13時を回っていたので途中の何気ない飲食店でそばを食べる。
ちゃんと十割そばになっていて思ったよりおいしい。本当は海鮮を狙っていたけどちゃんと狙ってお店を選んで再トライしよう。お腹も満たされたし改めて大室山に向けて再出発。
周りは高級車がちらほら。有名な伊豆高原に入ってきた。
アニメで登場した広井酒店に行きたかったけどいつの間にか通り過ぎていた。池池の日本酒もまぁどこかタイミングがあえば探してみよう。そうこうしているとだんだん観光地らしくなり、変な看板や建物が増えてきた。

そして、少し山間に入ると急に見えてきたのが大室山!これはでかい!

近くで見るとまたその異様さに圧倒される。山なんだけど木は生えてなくて丸裸。どでかい丘のよう。
このご時世、観光客はそこまで多くなく駐車場も広々。ただ山の頂上に伸びるロープウェーが元気に動いていた。
大人往復700円、子供350円。山を直接登ることはできなくてこのロープウェーのみっぽい。
というか登るには危険すぎる。この勾配はいかに健脚でも難しい。何かあると下まで転がり落ちる。捕まるところも足をかけるところもない。
実際ロープウェーもかなり揺れながら急勾配を上がるので最初は怖いのなんの。
ただ慣れてくるとカピパラちゃんの伊豆シャボテン動物公園から伊豆高原の街並み。高くなるにつれ美しい海外線から太平洋が一望できる。この景色は圧巻だった。

頂上に到着すると、また不思議で神秘的な空間が広がっていた。死火山のカルデラがぽっかり空いており、その稜線をぐるっと歩いて約20分ほどで一周できる。若々しい緑が生茂る肌合いは見てて目にも心地いい。
カルデラの中心ではなぜかアーチェリー場があった。
稜線をのんびり歩きながら見える太平洋や、遠く伊東や熱海の街並みを見つける。風もちょうどいいし太陽が気持ちいい。久々に自然を心地よく楽しめている感。

最後はお約束。大室山の看板と一緒にパシャリ。
生憎雲が多くて遠くまでは見渡せなかったけど伊豆の山々と複雑な海岸線、キラキラと眩しい太平洋はうっとりする。

なんだかんだ大満足の旅路だった。事故や怪我もなく無事目的の場所にも訪れることができた。
帰りは下道で熱海から小田原に抜けて東名高速で帰路。
そういえば熱海の繁華街はどこもシャッター閉めていて人気もなくガランとしていたのはショックだった。海外からの観光客もなく地場産業の衰退が手の取るようにわかる。せっかくの観光資源をうまく活かせないものかとモヤモヤしながら運転したのを思い出す。
それと最後の最後で、高速で道を間違え帰宅時刻が1時間遅れたのを白状しておこう。
日曜日の午後、東名は思った通りの大渋滞。距離は1.5倍になるが中央道から帰るほうが確実に早いことはわかっていた。海老名JCTで乗り換える予定が思い切り反対方向にハンドルを切ってしまった。大失敗。
結局は渋滞もそれなりに解消してそのまま東名で帰れたので結果オーライということで。

巡礼もできたし久々のキャンプに大自然を満喫できた。
とにかく伊豆はいたるところに温泉地があり、海の幸も山の幸も豊富で昔から癒しを求める人々を受け入れてきた場所なのだなと確信できた。また全身で楽しみたい。

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